医学部生時代の6年間、担任助手として東進で学ぶ後輩たちのカリスマに。

村山万季さん

大学入学後は東進で担任助手として働かれましたが、
担任助手は、どんなお仕事なのですか?

村山さん 受け持ちの生徒の学習進度を管理したり、計画的な学習のサポートをします。私が高校生のときも、先輩大学生の担任助手は心のよりどころとなる存在でしたから、その伝統を受け継ぎたいと思って、医学部生時代の6年間続けました。

小池先生 岐阜の東進では、東進で大学生になったら後輩たちの面倒を見るという文化が根づいています。村山さんは順風満帆の天才肌というよりも、高いレベルの挫折を乗り越えてきた方です。そんな村山さんでなければ、後輩たちに伝えられないことがたくさんあったと思います。

村山さん 岐阜則武校、岐阜長良校で働かせていただきました。居心地がよく、私自身、医師国家試験の勉強の気分転換でもあったと思います。高校1年生の担当として3年間一緒に繰り上がる中で互いに性格もわかり合い、ともに成長することができました。私の経験が後輩の役に立つところに、とてもやりがいを感じていました。

小池先生 村山さんが担任助手を務めた「センター過去問演習」は、たいへんな盛況ぶりでした。村山さんのアドバイスを受けたくて、校舎の1階から3階まで階段に行列ができるのが恒例でした。まさに、岐阜長良校の"レジェンド担任助手"です。

救命救急の最前線で生死と向き合う研修医。一生をかけて、麻酔科医師として究めたい、

現在のお仕事について、お聞かせください。

村山さん 岐阜県総合医療センターに勤務し、研修医2年目です。研修医を終えて専門科に進むにあたって必要なスキルを上げるために、現在は救急外来を担当しています。救急外来は急性期の患者さんが運ばれてくる現場なので、常に張り詰めた緊張感があります。目の前の患者さんにどんな初期対応をすべきか、急変した時にどうするか、といった判断を迫られ、専門科の医師に引き継ぐまでが救急外来の役目です。

村山万季さん

日々、生死と向き合う過酷な現場ですね。

村山さん 最前線に立つことも多く、院内急変の対応をしたり、心肺停止患者の蘇生を行うこともよくあります。岐阜県総合医療センターは、山間部からドクターヘリも到着します。

研修医を終えた後は、どの専門科を選ばれるのですか?

村山さん 医学部教育や病院実習、研修医の仕事を通して、麻酔科医としての専門性を突き詰めていきたいと考えるようになりました。手術で麻酔をかけるということは、死に近いところまで患者の意識レベルを下げ、術中の循環動態を管理することで手術を行いやすくすることです。患者のリスクを把握して、手術内容によって臨機応変に対応する必要があり、やりがいがあります。

いま乗り越えたい目の前の壁は、どんなことですか?

村山さん 指導医や上級医に相談しながら日々勉強中で、正直いまは壁だらけです。現段階で「これは任せて!」と言える場面も増えましたが、麻酔科医になるにあたっての知識と経験はまだ圧倒的に足りません。

医師になって良かったと思える瞬間は?

村山さん 救急外来で処置した患者さんの傷がきれいに治っているのを見届けたときや、執刀医として手術した患者さんが退院したときなどです。日々、患者さんの命と向き合う現場で、医師になってよかったと実感しています。

社会人として働く上で必要なことは、何だと思いますか?

村山さん 自己管理力と向上心です。食事をしっかりとったり病気の予防をするなど、体調を整えることは社会人の基本です。自分の身体を自分でコントロールできないのは、医師として恥ずかしいことですから。また、向上心は誰かの役に立つ存在になるために不可欠だと思います。

村山万季さん

今後の夢や目標をお聞かせください。

村山さん まずは現場のキャリアを一歩一歩積み重ねながら、麻酔医として心臓外科の手術や産婦人科の手術など、トータルで対応できるようになっていきたいです。そして、「この分野のオペは私に任せてください!」と、早く言えるようにならなければ、と思っています。いずれは、救急系のサブスペシャリティを取ることも視野に入れています。
※サブスペシャリティとは、各診療科(村山さんの場合は麻酔科)の下に連なる細分化された専門分野のこと。

東進・能開の後輩たちへメッセージをお願いします。

村山さん 人生は一度きりです。やらなかった後悔は、後々まで大きく残ってしまうものです。ぜひ、やれるだけやって、やり切ったと自分が納得できるところまで頑張ってください。「あの時、一生懸命やってよかった」と後から思えるように、自らの手で未来を切り拓いてほしいですね。

小池先生 村山さんは必ず、いいお医者様になってくれると思います。

村山さん 小池先生の力強い励ましがなかったら、ここまで来られませんでした!

本日は、12年分のおふたりの厚い信頼関係を垣間見させていただきました。ありがとうございました。

村山さんインタビュー「こぼれ話」



取材当日、村山さんは高校3年生に向けたホームルームで「前期入試で偶然や奇跡を信じたところが私の甘さでした」と振り返り、「受験に勝つことは決して偶然ではないのです。偶然を必然にするには、粘り強い努力しかありません。なりたい職業に就くために、ブレずにもがきながら乗り越えていってください」と語りかけました。

教育理念 困難な時代を生き抜く力

ティエラコムは、創業期より「困難にたじろがない ひとりで勉強できる子に」を教育理念としてまいりました。
「学習塾」とは一線を画した「総合教育運動体」としての姿勢を貫き、子どもの成長の礎となる人間の生地を鍛える教育の実践こそが、私たちの使命であると考えます。

人が生きていく過程には、避けて通れない『困難』が待ち受けています。
それらを安易に回避したり、ストレスで押しつぶされたりといった現代人の忍耐力のなさが問題視されています。
私たちは、困難を乗り越えた先にある喜びを味わえるようあえて多くの試練を用意し、鍛え、励ますことが教育者の役割であると考えます。

私たちの教育目的は、時代やグローバル化の要請に応じて、有用な「人材」を育て社会へ送り出すことではありません。
試練を乗り越えた喜びとともに得た自信を年輪のように重ねた人間こそが、自身の幸せをかみしめ、より豊かな国や世界をつくっていくと確信しています。

ティエラコムの企業活動は、常に「変わらぬ理念」と「新たな挑戦」のもとにあります。