学校の成績では太刀打ちできない。期講習で受けた初めての衝撃

「能力開発センター(以下、能開)」に入った経緯をお聞かせください。

高校受験に向けて中学2年の冬期講習から1年余り、加古川本校に通いました。小学校時代から能開の噂はよく耳にして、"厳しい指導"や"できる子が学ぶ場所"というイメージが先行していたので、まさか自分が通うことになるとは思ってもいませんでした。きっかけは、「せっかく通うならレベルの高い塾で自分を試してみたら?」という母のひと言に触発されたからです。初めての塾通いで、半ば"恐る恐る"能開の門を叩きました。

当時はどんな中学生だったのでしょうか。

正直、真面目にコツコツ勉強するタイプではありませんでした。器楽部でバイオリンを担当し、中学3年の引退まで部活に打ち込んでいたため、勉強するのはもっぱらテスト前だけ。それでも、限られたテスト範囲を集中的に勉強するのは得意で、学校の成績は悪くありませんでした。頑張って受験勉強すれば、地元の進学校の加古川東高校に合格できるかも……、と過信していたのかもしれません。能開に行ってみて、そんな根拠のない自信はあっさりと打ち砕かれた、という感じでした(笑)。

実際に能開に通いはじめて、どんな"ショック"を受けたのでしょうか。

初めての冬期講習でさっそく小テストを受けたのですが、「あれ?一問も解けない!」という非常事態に。ただ茫然としながら周囲を見渡すと、普段から能開に通っている生徒はスラスラ解いているではありませんか。学校ではそんな惨めな経験をしたことがなく、まさに初めての衝撃でした。いてもたってもいられず、テスト中に手を挙げて先生を呼び止め、「全然わかりません。どうしたらいいですか?!」と訴えたことをよく覚えています。

河野朋子さん

その発言に対して、先生は何と?

「心配しなくて大丈夫!学校の勉強だけでは、できなくて当たり前だから」と、ひとまず安心させる言葉をかけてくれました。そして、「とにかく毎日の宿題を確実にやってきてください」と言われたのです。それから講習期間の1週間は、毎日の講習に食らいついていくだけでもへとへとなのに、帰宅後から翌日の講習までに膨大な量の宿題をこなしていくことで頭がいっぱいでした。全教科から宿題が出るのでとにかく時間が足りず、ほとんど毎日徹夜続きでした。うとうとしても1時間だけ仮眠して、また朝まで続きをやる。そうやって歯を食いしばって頑張ってもなかなか最後までたどりつかないほどでした。宿題用ノートの消費量もすさまじいものでしたね。

大量の宿題以外にも、印象に残っていることはありますか。

冬期講習の最終日、成績の良い生徒が次々と表彰される中で、私は「1週間よく頑張った賞」をいただきました。つまり、努力賞ですね。まさか自分が賞をもらえるとは思わなかったので、とても驚きました。「初めはどうなることかと思ったけどよく頑張った!」と先生に褒められ、努力を評価してくれたことが素直に嬉しくて。いままで味わったことのない密度の濃い1週間を乗り越えて、「やれば何とかできる」という大きな自信につながりました。

めげずに頑張れたのは、なぜでしょうか。

小テストが全然できなくても、不思議と「もう嫌だ!行きたくない!」という気持ちには一度もなりませんでした。成績が貼り出されて上には上がいることに刺激され、またやらなくちゃいけない宿題の多さにむしろ奮い立たされたのだと思います。「もっと勉強したい」という気持ちに火がついて、冬期講習後の3学期から日曜ゼミに通い始めました。

自分で勉強する習慣が身につき、やり抜く達成感や爽快感を知った

能開に通ううちに、成績はどのように変化しましたか。

それまでは普段からコツコツ勉強する習慣がなかったため、ちょっと手を抜くと成績は落ち、焦って勉強すると成績が上がる、といった調子で上下の波がはっきりしていたのです。日曜ゼミに通い始めて毎週の宿題に真面目に取り組むうちに、少しずつ小テストで点数を取れるようになり、中学3年になる頃には成績の上下の波がなくなり安定していきました。コンスタントに勉強する習慣が身についたことが、一番の成果です。目的意識を共有して一緒に頑張れる他校の生徒とも仲良くなって、学校以外の世界にも視野が広がりました。

学校の勉強と能開の勉強は、全く別物なのでしょうか。

学校の中間・期末テストは、出題範囲が限られているので前もって勉強すればある程度の点数は取れましたが、能開で繰り返しまんべんなく学習する勉強方法によって、着実に実力テストでも力を発揮できるようになりました。

合宿にはどんな思い出がありますか。

高校受験直前に参加した冬の合宿が、強烈に胸に刻まれています。集団で徹夜して勉強するという非日常のもと、食事と入浴以外はひたすら勉強して布団で寝た記憶がないくらいです。でも、仲良しの友人と一緒だったので、辛かったというより楽しかった思い出ばかりです。

河野朋子さん

高校受験はプレッシャーを感じていましたか。

初めての受験ですから、それはもう人生の一大事です。「志望校に落ちたら人生が終わる!」と思い詰めて、プレッシャーに押しつぶされそうでした。テレビ放映の即日解答を見ながら「まずい!絶対に落ちた!」と深刻に落ち込み、しばらく頭を切り替えることができませんでした。合格発表の瞬間は、うれし涙よりもホッとしたというのが正直な感想です。

勉強を通して、自分の成長を感じたのはどんな部分ですか。

しんどくても食らいついていかなくちゃいけない、という強い気持ちが養われました。眠気と闘いながら頑張っても終わらない宿題に取り組み続ける。そんな"理不尽"な経験を通し、歯を食いしばって諦めずに1週間やり続ければ、その先には味わったことのないような達成感や爽快感があることを知りました。その後も社会人としてさまざまな壁を乗り越えるたび、能開で培われた"頑張ればきっと乗り越えられる"という信念が私を支えてくれたように思います。もともと小学生の頃から長距離走が得意で、持久力を発揮するタイプでしたが、そんな私の根性を能開でうまく引き出してもらいました。持って生まれた素質と能開の勉強方法がうまく合致したと思います。