熱血指導と大量の宿題に鍛えられ、学習習慣が身についた。

永田先生生徒たちの熱気に圧倒され、講師陣もますますテンションが高くなる相乗効果だったように思います。「学校やテレビよりも面白いことを提供しよう!」と、講師同士のチームワークにも自信がありました。そんな若さゆえの熱病のような指導に、生徒はよくついてきてくれたと感謝しています。

藤井さんもちろん、ただ楽しいだけではなく、万一宿題を忘れてきたりしたら大ごとでした。ペナルティとして、電話帳のようにぶ厚い問題集を目の前に「ドン!」と置かれて、翌週までの宿題が信じられないほど増量したり……。それから、中1生から中3生まで全員が集合する全体朝礼も、とても記憶に残っています。

永田先生能開の卒業生が当時を振り返ると、必ず「朝礼の話が面白かった」と言ってくれます。朝礼では、教訓めいたことよりも生徒のやる気や元気がみなぎるように盛り上げて、授業に入るための気分を作ってあげたいと思っていました。そういえば、講習会期間中に「明日までにノートを1冊まとめてくること。テーマは何でもOK!」なんて宿題を出したことを、いま思い出しました。

藤井さんありましたね!私はまず、友達と一緒に“一番薄いノート”を探しに文房具屋に走りました(笑)。それこそ、血眼になってひと晩かかってノート1冊を仕上げました。何とかして逃げたかったけれど、逃げられなかったというのが本音です。でも、不思議と塾を辞めたいと思ったことはありませんし、逃げなくてよかったと思っています。

永田先生能開は、家庭学習が勝負だと言えます。いかに自主的に家庭学習に向かわせるかがすべてなのです。そのため、いろいろと趣向を凝らした宿題を出しましたね。

藤井さん週1回の日曜ゼミに通いながら、残りの6日間は家で自分のペースで勉強できるサイクルが、私には合っていたと思います。

あの時、食らいついて勉強した。だから、今の私がいる。

藤井千代美さん

永田先生かつて増澤代表がこう言いました。「結局、勉強は一人でするもの。われわれが目指すのは、“教えない教育”だ」と。まさしく、自分で努力して得たものしか身につかないということですね。

藤井さん週1回の「日曜ゼミ」はペースが早く、家庭学習も大変です。テキストは習っていないことばかりで、何もかもわからないお手上げ状態。参考書を開いて一つずつ調べていくしかなく、必死に予習しました。
徐々に調べ方のコツをつかめるようになると比例して実力もついてきて、わからなくてもめげずに立ち向かう気持ちも培うことができました。

永田先生真面目な千代美さんも、今日あたりサボりたい日だろうとタイミングを見計らって、私が「勉強してる?」と激励電話をかけると、「はーい」と生返事が返ってくることも。あれは、ちょっと怪しかったな(笑)。そんな風に私なりに、子どもを観察して正面から相撲をとるように向き合ってきました。

藤井さん講習会で一位になったごほうびに、永田先生から手書きの色紙をいただいたんです。それがとても心に響く言葉で、大学卒業まで勉強部屋に飾って何度も眺めては励まされました。
――「うららかな春は厳しい冬の後にくる。可愛いふきのとうは霜の下で用意された」

永田先生暗唱してもらえるとは嬉しいですね。
残念なことに記憶にありませんが、我ながらなかなかカッコいい言葉!

藤井さん実はちょっと拝借して、受験生だった弟にエールを送ったこともありました。