学ぶことは、やっぱり楽しい。一生、学び続けたい

現在のお仕事について教えてください。

事務職員として、一橋大学に勤めています。大学職員の役割は、大学の使命である研究や教育が滞りなく行われるようにサポートすることです。事務処理能力だけでなく、全体を統括するマネジメント力も要求されます。私は、就職して最初の3年間は、一橋大学経済研究所で、研究費の管理や施設管理など、会計や総務の仕事をしていました。3か月間ほど、オーストラリアに海外研修に行ったこともあります。その後2年間は、桜美林大学へ出向し、教育支援課で学事に関する業務を担当しました。さらに、大学に勤める傍ら、桜美林大学大学院大学アドミニストレーション研究科にて、大学のマネジメントや大学職員の人材育成について学びました。そして、今年4月に一橋大学に戻り、現在は一橋大学大学院国際企業戦略研究科のスタッフとして勤務しています。

木村弘志さん

なぜ、大学職員になろうと思ったのですか。

実は、大学卒業後2年間ほどは、東京で塾講師のアルバイトなどをしながら、クイズイベントの企画・運営に携わっていました。その後、就職を考えたときに、一般企業ではなく、大学、とくに国立大学というアカデミックで自由な空気のなかで仕事をしたいと思い、公務員試験や大学法人等職員採用試験を受け、現職に就きました。実際に働いてから感じたのが、大学の教職員には個性的でおもしろい人が多いということ、そして、職場に大学図書館があることのありがたさです(笑)。どちらも、私にとっては魅力的で大切なものです。

働きながら学び直そうと思ったのはなぜですか。

学び直すというよりは、仕事に必要なことを新たに学ぶという意味合いが強いですね。職員のスキルアップの一環として、修士取得の支援制度があったので、それを利用しました。私が人生のテーマにしてきたのが、これも『赤頭巾ちゃん気をつけて』からですが、「みんなを幸福にするためにはどうすればよいのか」ということです。これを、大学職員の人材育成や能力開発の観点から追究し、修士論文も執筆しました。2年間、再び学生として学んでみて、新しいことを知るというのはやはりおもしろいことだと、改めて感じましたね。

新しい部署では、どのようなお仕事をされているのですか。

一橋大学大学院国際企業戦略研究科は、主に社会人の方が、国際経営戦略、金融戦略・経営財務、経営法務の分野において、専門的なスキルを身につけるための場です。国内だけでなく世界中からビジネスのプロフェッショナルが集まるのが特徴です。私はここで、主に留学生の支援に当たっています。ビザの手続きや住居の確保などの事務的なことから、大学の案内や日本の紹介まで、さまざまなかたちで彼らをサポートしています。留学生といっても、その多くが国を代表するエリートなんです。彼らとの会話は、基本的に英語です。英語は決して得意ではありませんが、学生時代に培った下地があれば、使っているうちになんとかなる、というのが私の持論です。実際、なんとかなっていると思います(笑)。

木村弘志さん

学生時代に学び、今、役立っていることはありますか。

「(1)妥当な目標を立てる→(2)現状を分析し、自分を知る→(3)現状と目標のギャップを埋める」という、物事に取り組む際のメソッドです。「妥当な目標」というのは、自分の意思で「〜したい」とはっきりと望むという意味です。つまり、人に言われたからいやいや立てた目標ではダメだということです。目標を立て、目標達成のために今の自分に足りないものを洗い出したら、あとはそのギャップを埋めるために努力するのみ。私はこのメソッドを、学生時代の勉強を通して身につけました。能開では、与えられる予習課題一つひとつが「目標」でした。能開に通った8年間で私は、目標を持つことの大切さを学んだように思います。そして、小学生、中学生、高校生と成長するなかで、自ら目標を設定する力も身についてきました。このメソッドは、勉強だけでなく、仕事でも遊びや趣味でも、どんなことにも応用できると思います。

今後の夢や目標をお聞かせください。

目下の目標としては、昨年書き上げた修士論文を、テーマごとに細分してさらに深め、それぞれを論文に仕上げて発表することです。さらに、業務を通じて、「大学職員の人材育成と能力開発」を実践できるような仕組みを構築していきたいと考えています。また、わからないことがわかるようになることのおもしろさ、学びの楽しさをこれからも体感したいので、一生勉強を続けたいと思っています。

最後に、能開で学ぶ後輩たちへメッセージをお願いします。

今やっていることや勉強していることの意義が見えないこともあるかもしれませんが、そんなときには、「目標は何か」という原点に立ち返ってください。目標はそのときどきに変わるものですが、目標の軸がしっかりしていれば、つまり、自分の「〜したい」という意思が強ければ、気持ちや意欲はぶれません。与えられる目標から、自ら設定する目標へ。学生時代のさまざまな経験を通して、自ら目標を設定する力を身につけてほしいと思います。

貴重なお話をありがとうございました。

木村さんインタビュー「こぼれ話」

今年の夏にご結婚される木村さん。昨年末には婚約者を連れて宇部の実家に帰省。能開・宇部本校にも足を運び、お世話になった先生方に結婚の報告をしたそうです。良き伴侶を得た木村さん、ますます活躍が期待されます。

教育理念 困難な時代を生き抜く力

ティエラコムは、創業期より「困難にたじろがない ひとりで勉強できる子に」を教育理念としてまいりました。
「学習塾」とは一線を画した「総合教育運動体」としての姿勢を貫き、子どもの成長の礎となる人間の生地を鍛える教育の実践こそが、私たちの使命であると考えます。

人が生きていく過程には、避けて通れない『困難』が待ち受けています。
それらを安易に回避したり、ストレスで押しつぶされたりといった現代人の忍耐力のなさが問題視されています。
私たちは、困難を乗り越えた先にある喜びを味わえるようあえて多くの試練を用意し、鍛え、励ますことが教育者の役割であると考えます。

私たちの教育目的は、時代やグローバル化の要請に応じて、有用な「人材」を育て社会へ送り出すことではありません。
試練を乗り越えた喜びとともに得た自信を年輪のように重ねた人間こそが、自身の幸せをかみしめ、より豊かな国や世界をつくっていくと確信しています。

ティエラコムの企業活動は、常に「変わらぬ理念」と「新たな挑戦」のもとにあります。

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