自ら気づき、自ら考え、自ら行動する人間でありたい。

現在は、社長としてどのようなお仕事をされているのですか?

購買、営業、人事など会社全体のことを見ながら、常に先を見据えて経営方針を考えています。
印刷会社というと紙への印刷というイメージが強く、実際に現状では弊社の売り上げのほとんどを紙が占めています。しかし、デジタル化が進む今の時代、紙だけに頼った経営では尻すぼみになってしまいます。
弊社では早い時期からデジタルにも力を入れ、Webページの作成やeコマースサイト、システムの構築なども請け負ってきました。デジタルの売り上げ比率をもっと引き上げていく事が、目下の目標です。

山野正豊さん

社長として、どのようなことを心がけて
いらっしゃいますか?

毎月4回は東京に行っているのですが、いろいろな人に会い、最新のテクノロジーに触れ、たくさんの情報を得るように努めています。
先日、ある方にお会いした際、「テクノロジーの進化を経営の真ん中に」とアドバイスをいただきました。この言葉にあるように、最新のテクノロジーを取り入れることで印刷会社のあり方も大きく変わり、どんどん進化していけると思うのです。私たちの仕事は、紙であれデジタルであれ、人から人に情報を伝えるコミュニケーション産業です。そのことを肝に銘じ、広い視野で"印刷"を考えています。
また、これは社長としてではなく社会人としてなのですが、「自ら気づき、自ら考え、自ら行動する」ことが大事だと常々考えています。言われて動くだけではなく、自分から動ける人間でありたいし、社員にもそうあってほしいと願っています。

目標があれば、計画が立てられる。そこから、自分との戦いが始まる。

社員の方々に伝えていることはありますか?

社員には常々、二つのことを伝えています。「山野の遺産を作ろう」、そして「お客さまのインフラになろう」。これらの言葉には、まず我々一人ひとりが当社で仕事をしてきた証を残そう、という意味があります。そして当社がなければ仕事がまわらない、とお客さまに言っていただける価値を生み出し、提供していこうという思いを込めています。若い社員にはとくに、「理不尽なこともぐっと飲み込める力をつけろ」と言っています。世の中は、「1+1=2」という道理が通ることばかりではありません。ビジネスでも、わけもなく断られたり、定石通りにいかなかったり、日々納得がいかないことも多々あります。自分の思い通りに行かなくても、それをぐっと飲み込んでパッと切り替えて前に進む。それが大事だと伝えています。

山野正豊さん

それは、どういうご経験からきたお考えなのでしょうか?

能開時代の影響が大きいでしょうね。
遊びたくても、何が何でも目の前にある課題をやらないといけない。当時の私にとってはある意味で理不尽な状況からも逃げずに「やるしかない!」と向き合った経験は、大きかったと思います。
それと目標を持っていたからだと思います。何が何でもやらないといけないとき、追いつめられたときにギブアップしないメンタル面は、能開の6年間でも鍛えられました。
いつの時代もそうですが、若い人たちはそういうプレッシャーのあるシーンに時として弱いんです。新卒で入った社員が、壁にぶちあたるとすぐに根を上げて辞めてしまうケースが少なくありません。

社長としての今後の目標をお聞かせください。

社員に伝えているように、山野の遺産を作ること、そしてお客さまのインフラになることが大目標です。重要なのは、そのために何をするかということです。先にも述べましたが、テクノロジーの進化についていき、新しい技術をとらえてお客さまの事業に貢献すること。情報コミュニケーション産業を担うものとして、社会を豊かにすることに貢献していきたいと思っています。私は、会社は規模よりも中身、質が重要だと思っています。会社を長く続け、社員の息子、娘が入りたいと思える会社、地元の人が勤めたいと思う会社、働く人もその家族も地域の人も、みんなが誇りに思える会社にしていきたいですね。

最後に、後輩へのメッセージをお願いします。

「今日より若い日はない」ということです。ああしとけばよかった、もう遅い…と後悔している時間があるなら、今すぐやればいいんです。やろうと思ったなら、今日やる、今すぐやる。勉強も同じだと思います。皆さんはまだ若い。未来の可能性は無限大です。そして、夢を持つこと。明確なゴールがあれば、そこからの逆算で計画が立てられます。計画を立ててからは、自分との戦いです。ここでやめたら負けだと踏ん張り、自分に対するプライドを持って、その計画を実践してほしいと思います。まだ夢がない人も焦ることはありません。大切なのは夢を探し続けること。身近な目標でもいいと思います。ご両親や先生方、先輩や友人、本や新聞や各種メディアなど、いろんな人に会って、いろんな情報に触れて、視野を広く持ってほしいと思います。

貴重なお話をありがとうございました。

山野さんインタビュー「こぼれ話」

今回のインタビューには、中学時代の山野さんを知る大原先生が同席。「目立つタイプではなく、宿題やテストはきちんとやってきていて、怒られたところを見た記憶がない」とのこと。そんな山野さんも、今では社員の間で「社長は怒ると恐い」と言われているのだそうです。

教育理念 困難な時代を生き抜く力

ティエラコムは、創業期より「困難にたじろがない ひとりで勉強できる子に」を教育理念としてまいりました。
「学習塾」とは一線を画した「総合教育運動体」としての姿勢を貫き、子どもの成長の礎となる人間の生地を鍛える教育の実践こそが、私たちの使命であると考えます。

人が生きていく過程には、避けて通れない『困難』が待ち受けています。
それらを安易に回避したり、ストレスで押しつぶされたりといった現代人の忍耐力のなさが問題視されています。
私たちは、困難を乗り越えた先にある喜びを味わえるようあえて多くの試練を用意し、鍛え、励ますことが教育者の役割であると考えます。

私たちの教育目的は、時代やグローバル化の要請に応じて、有用な「人材」を育て社会へ送り出すことではありません。
試練を乗り越えた喜びとともに得た自信を年輪のように重ねた人間こそが、自身の幸せをかみしめ、より豊かな国や世界をつくっていくと確信しています。

ティエラコムの企業活動は、常に「変わらぬ理念」と「新たな挑戦」のもとにあります。

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