授業は疑問点を持って参加する。それが、能開流「予習型くり返し学習」の基本

大川さん私は、金沢大学附属小学校から同中学・高校までストレートに進学しました。ただし、小学校から中学は持ち上がりですが、高校受験が前提です。高校進学時に160名から70名まで約半数に絞られ、外部から約50名が入学します。金沢大学附属高校は医者を目指す生徒が多いことでも知られ、およそ半数が金沢大学医学部進学を目指すという環境でした。

高校受験に向けて、能開ではどのように勉強されましたか。

大川さん高校受験の先まで見越して将来的に難関大学を目指す、10数名の「Vクラス」に通っていました。中学2年で中学3年までの勉強をひと通り終える先取り学習だったので、学校の授業とは全く異なる進度に無我夢中で食らいついていました。予習で辞書代わりに愛用した参考書「自由自在」が、片時も手放せませんでしたね。一つひとつ調べながらわからないところを丹念に潰してクリアにしていく訓練を積み重ねていきました。

家庭学習における、予習と復習の割合は?

大川さん予習がほとんどです。能開の勉強は"調べることがすべて"。参考書や辞書を片手に予習し、疑問点を持って授業に参加することが大切です。授業は"復習の場"という位置づけでした。

谷内先生補足すると、「Vクラス」は附属中学の成績上位者や他校のトップレベルの生徒が選抜されていたクラスです。能開のカリキュラムは、いつの間にか同じ単元をくり返し学び、学習内容を定着させるように組まれています。普段の土日ゼミに加えて夏期・冬期講習を含めると、年間を通して1つの単元について小学生は5~6回、中学は3~4回くり返し学んで次の学年へと進学するシステムですね。

大川さん土日ゼミは週1回しか顔を合わせない集中授業でしたが、大変な勉強を一緒に乗り越えていくんだ、という仲間意識も芽生えていました。

社会人に必要な計画性と実行力、時間管理や自己管理能力も養われた。

大川夏子さん

能開で身につくのは、ズバリどんなチカラだと思いますか。

大川さんまず言えるのは、計画性です。次の授業までに大量の宿題をやりきるためには、今日はここまで絶対に到達するぞと決める。そして、何があっても言い訳せずにそれを実行するチカラ。毎週繰り返すことで、確実に計画性が鍛えられました。

計画性はお仕事にも活かすことができますね。

大川さんええ。現在は、新聞社で雑誌づくりの仕事に就いていますが、締切りまでの間にやるべき業務が何段階もあり、それをいつまでにどのように形にするか、コツコツとこなしていく「計画性」と「実行力」が求められます。そして、今日中にここまで仕上げると決めたら、「やりぬく意思」も必要です。能開で大量の宿題と格闘していく中で"私のペースならここまでできそうだ"という、自分なりの基準を掴めるようになったと思います。

谷内先生社会に出てから必要となる「時間管理能力」や「自己管理能力」が、幼いながらも養われるわけですね。月曜から金曜までの時間配分をきっちりと組めるようになるわけですから、社会人と同じです。

大川さんおっしゃる通りだと思います。無茶な目標を立てても崩れてしまうので、自分に合ったやり方を模索しながら、目標に向かって着実に進む姿勢が身につきました。

"ノートまとめ"も能開の特徴ですよね。

大川さん頭の中まできれいに整理できる"ノートまとめ"は、何度も繰り返し先生からアドバイスをいただいていつの間にか習慣化しましたね。ノートの右1/3に余白を残して定規で赤線を引き、2/3にはテキストの答えを書いて、右1/3には要点や自分が発見した大切なポイントを書き込みます。夏期・冬期講習会の際には、プリントの設問を1題ずつノートに切り貼りし、そのすぐ下に答えを書いていきました。得意科目の英語はテキストの問題も書き写し、自分だけのノートを仕上げる達成感もありました。